滞納家賃のお話・・・以前済んでいた一軒家ですが、借家で5年程済んでいました。家賃は7万で、ガレージ付の物件でした。
家は狭かったが居心地は良く、気に入ってましたが最後の1年は 究極の収入減でまったく家賃が払えない状況でした。
即時退去を大声で怒鳴られて、さすがに凹んだ日
2011.2.21
私の家の大家は他府県に住んでおり、不動産業を営んでいる方でした。物件管理にも 頻繁に来る事は無く私の滞納に対しては2ヶ月に一回くらいの電話での督促でした。
“あと数日で払う”とか、“予定が狂った”など、今流行りの“方便?”で その場をしのいでいました。
そんなやりとりを半年程続けたあたりで私は勘違いし、“別にテキトーにチビチビ払ってりゃOKじゃん”みたいな感じになっていました。
するとある日、一人の女性が我が家のインターホンを押している姿を仕事帰りの私が見つけました。
“誰だろう?”っと、 何の警戒感も無く後ろから、『どなたですか?』っと尋ねたところ・・・
「○○さんですね? ホント・・・ ホント・・・ ホント・・・ いい加減にしてくださぁぁぁい! いますぐ、退去してくださいぃぃぃ!」
まわり近所に 丸聞こえの大声で怒鳴られました。 私は慌てて玄関先にその女性を押し込んでひたすら謝りました。 大家の娘が遠路はるばる乗り込んできたのです。
聞けばいつも電話してくる大家さんは足が不自由になり、身動きが取れない状態で電話しか出来なかったとの事。
見るに見かねた娘がお湯が沸かせるほどの怒り心頭で私にぶち当たってきました。
何の弁解も出来ない私。 しかしその時、自分が発した大声を謝って大家の娘は落ち着きを取り戻しました。
その後、落ち着いた大家の娘は淡々と話し出し後日、話し合いをする事でその日は帰りました。
なめきっていた私はさすがに愕然とし、自分の置かれた立場を改めて認識しました。嫁と子供に謝って大家に電話をし後日、こちらから伺う事を約束し電話を切りました。
そして、その週末に私は一人で車に乗り、高速を飛ばして大家の下へと馳せ参じました。このつづきは次回に・・・
『えっ、マジ?』が本当にマジになってラッキーだった日
2011.2.22
車で数時間走って、ようやく大家の店に着いた。片田舎の不動産家さんで質素なたたずまいだった。 その時はカンカンに怒って、やって来た娘は居なくて大家が一人だった。
さぞ、怒っているのかと思いきや終始笑顔で対応してくれた。足が不自由になって現地へ行けなくなった事や、すでに廃業に向けて準備をしている事を話してくれた。
私の滞納については早期決着が基本だが、昨今の不景気を考慮して寛大な対応を約束してくれた。
どうやら娘に自宅に乗り込まれてから、すぐに遠路はるばる謝罪にきた私の姿が大家の怒りを少し緩和させたみたいだ。
正直私はホッとしました。大家が出した条件は次の通りだった。今日より1ヶ月以内の退去。
残債は最大1年半で完済。その期間内は毎月月末までに5万以上の任意設定の金額をキチンと返済する。
この約束の連帯保証人は私の嫁を選任し、取りまとめた文章を公正証書にする。この条件でなら猶予を考えると言ってくれたので私は即答で承諾した。
1ヶ月以内の退去は簡単では無かったが、 最大1年半も待ってくれる条件はこの上ない好条件だった。 私は深々と御礼をし車に乗り込んで帰路を急いだ。
そして帰宅後に嫁と相談すると、『えっ、マジ?』っと返答がきた。
その中身は滞納家賃の支払い期間が ありがたいの“マジ?”と1ヶ月以内の退去が“マジ?”ともうひとつ、すごい重要な“マジ?”が重なっていたのでした。
もうひとつの“マジ?”とは・・・ すいません、つづきは次回に・・・
本当に周囲の人たちに恵まれていると感じた日
2011.2.23
『えっ、マジ?』嫁の叫びはネガティブではなくポジティブなものでした。
この騒動の数日前に近所の方の話で、自宅裏の離れ的な住居が空いたけど玄関までの数十メートルほどの通路が極端に狭く、
自転車も通りづらい道幅しかないために、借り手がつくかどうかを悩んでいたらしい。
嫁がすぐさま、その人の家へ駆け込み話しをした結果、気に入ってくれるなら格安の条件でOKという話しになった。
早速、私達夫婦で物件を見せてもらうと少し狭くは感じたが、なんともきれいな室内で水周りは最新機器を備えている。
大家さんは前の通路の狭さを気にしているが、我々には絶好の転居先と直感した。
大家さんとの交渉は15分ほどで済み、 敷金・礼金なしで退去時は現状復帰を条件に家賃は4万円で決着した。
さすがに引越し作業は狭い通路に泣かされたが、8名の友人達の援軍のおかげで1日弱で完了した。
振り返ると何もかも良い人たちとの出会いで救われている我が家族。いや私だ。私が家族を巻きこんで辛い状況下に置いている。
しかし、こんな私が迷惑をかけている人も本当に温かい配慮で対応してくれている。これは本当に心から感謝している。