過去の愚か者日記

多重債務者は正月を過ごす為に銀行の前で探偵ごっこが必要なんだよ!

愚か者倶楽部

数年前のこの時期、12月半ばの事です。

『また、正月かぁ~?もう、いいよ。クリスマスもいらないよぅ・・・』心の底から、そう思ったものでした・・・

私のような「ひとり社長」は社員がいないから、ボーナスや給料支給の心配はない。でも、借金まみれの馬鹿野郎にも正月はやってきます。

おまけに子供がいる我が家には、クリスマスもやってきます。

借金だらけの自営業者の年末年始

愚か者倶楽部
2010.12.18

極論を言えば、借金で首の回らない大馬鹿にはクリスマスも正月もいらないし、雰囲気を楽しむ事なく、残飯でも漁って生きていきゃいいじゃん!

っていう意見の方が居られるのも分かっております。しかし・・・

やっぱり、ダメなんですなぁ~最低であっても、クリスマスと正月は人並みに迎えたいという、気持ちは押さえられません。

12月の半ばを過ぎた頃、私は年末年始の必要経費を計算しました。

『まずはクリスマス。ケーキと食事代で5000円。それと子供へのプレゼントで合計1万円だな。そして、正月の準備に1万円。三が日を過ごす費用で1万円かぁ。よし、合計3万円だな。』

3万円位なら、なんとか・・・なんとかぁ???イッカ~ン!!!お年玉があるぅ!!!こんな借金馬鹿にも正月に顔を合わせる親戚・知人が居ります。

計算しました。少なく見積もっても、あと最低でも3万円は必要ですが、年末年始の経費として6万円を確保しないといけません。

この出費がとてつもなく痛い。しかし、どこからか捻出しなければなりません。頭をひねります。ない、頭を思いっきりひねります。考えているのは、支払先への言い訳です。

しかし、有効的な言い訳はあまり浮かびません。それでも、ひねって、ひねって考えました。すると、ひとつだけ考えが浮かびました。

それは・・・実質の支払いを年明けに先延ばしする事でした。

多重債務者の考える愚かな先延ばし方法とは?

2010.12.20

方法はこうでした・・・いつもは支払いは現金でしたが、ある仕入先には小切手での支払いをお願いしました。

普段は利用しないのですが幸い、古い付き合いの信用金庫の小切手は持っておりました。

その信用金庫には迷惑を掛けていないので、小切手も使える状態だったのですよ。

仕入先は12月29日まで営業しているとの事だったので、私は最終日の29日に持参させてほしいと仕入先にお願いしたところ、快諾して貰いました。

当日、私は・・・『遅れてすいませ~ん!』っと、軽く息を切らせる小芝居をしながら、3時すぎに仕入先を訪問しました。

先方の事務員さんは、快く手続きをして笑顔でお辞儀までしてもらって送り出されたとき、ホッと胸をなで下ろしました。

『よし、これで一段落ついた。8万円の支払いが年明けに延びた。助かった!!!』

私の目論見(もくろみ)はこうでした・・・

“まず、3時すぎに支払った小切手が、これが今日付けで銀行に入金される事はない。

しかも、仕入先の営業は今日までだ。万が一明日、誰かが銀行に入金しても、小切手だから基本的に翌営業日にしか決済資金は必要にならない。

銀行は31日~4日まで、休みだから5日までは8万円を準備しなくても大丈夫。しかし、問題はその後だ。

売掛けの回収として5日に入金予定があるが、入金予定先の年始の営業が6日から。恐らく、5日予定の入金も6日になるだろう。

だから、絶対に小切手は5日に決済されてはまずい。お願いだから、明日の30日に銀行に行かないで普通に休んでてくれぇ!!!”完全に他力本願の綱渡りでした。

その翌日・・・

多重債務者の悲しくも愚かな年の瀬・・・

2010.12.22

私は小切手を支払った仕入先の会社の前に来た。正月用のしめ縄と賀正と書かれた張り紙をして、完全に閉まっている。

それを確認した私は、次に向かったのが仕入先のメインバンクである。

銀行の2つの入り口を見渡せる場所に車を止めて9時~3時まで仕入先の関係者が来ないかどうかを見張り続けた。

結果的に仕入先の関係者は来なかった。しかし、私の知らない顔の人が代理で入金しているかも知れないし、私が見逃したかも知れない。

もしくは、他の銀行に入金されても、まったくおかしくないが、これで70%位の不安要素は取り除かれた。

こんな探偵まがいの行動をしないと、心静かに正月すら迎えられない大馬鹿者。

その2日後・・・無事に新年を迎え、それなりに三が日を過ごし問題の5日はすぐにやってきました。

決済日が来たがどうする?愚かな多重債務者!

2010.12.23

小切手の場合、残高不足の状態だと大体、11時~12時に信用金庫から連絡がある。

私は電話の前で手のひらを合わせながら、電話が鳴らない事をひたすら祈った。

時計の針が12時を指した・・・電話は鳴らなかった。しかし、安心は出来ない。連絡が遅れる事もある。

私はキャッシュカードを握りしめて信用金庫に駆け込んだ。残高照会をしてマイナス表示でなければ今日の支払いはない。

暗証番号を叩きつけるように入力し残高照会を行なった。

結果は・・・「残高0円」だった。

私の仕事始めはこんな作業から始まる。安心したものの、すぐに憂鬱になる・・・『何やってんだ、俺。』ボソッとつぶやいて、自宅へと帰っていきました。

結局・・・

仕入先が銀行に入金し、私の会社に残高不足の連絡が入ったのは、一週間以上先の1月13日の事でした。私・・・今も年末年始は大嫌いです・・・